突然の電話だった。

親父にかかってきたその電話が、今後自分が茅ヶ崎ファームに関わることになるとは知る由もなかった。
電話の主は茅ヶ崎ファームキャプテンだ。
私の両親は昔から、福祉に携わる仕事をしている。その縁で両親とキャプテンは顔なじみなのである。
電話の内容は、「ファームに欠員が出たから、あなたの息子はどうかと・・・云々」だったと聞いている。
まぁ、早い話が「ふらふらしてるなら、うちに来ない?」的なことだったのだろう。

そのことを知らされた自分の答えは初め「NО」だった。
理由は、親の仕事をみてきて子どもなりに「こんな大変な仕事は絶対やらない」と脳のどこかにインプットされてきたのだろう。明確な理由はないが「福祉の仕事」に拒絶反応があったのは事実だ。そのときは目指す職種もあった。

そして一度お断りをした。しかし・・・
その後、親や友人からの「行ったほうがいい!」プッシュもあり気持ちが徐々に傾いていった。心は変わりやすいものなのである。そして、失礼ながら再度連絡をした。そして面接へ。

面接を行った場は、いわゆる現、茅ヶ崎ファームの前身「プレハブ時代」のときであるから当然、「プレハブ」で行った。
この「プレハブ」、自分的には衝撃的であった。
いま考えれば、「あそこもよかったなぁ」と感慨に耽ることもできるが、当時は失礼ながら「おいおい、すごいな。子どもと大人が入り乱れているぞ。宿直室がとんでもなく狭いぞ。ここで寝るのはちょっとなぁ・・・。しかも調理が大変そうだなぁ。」などなど。
福祉素人の自分ではあったがそのインパクトは強烈であった。

そんな不安と不安しかない状態で始まった自分の「茅ヶ崎ファームでのくらし」
あの衝撃的な出会いから早4年がたった。
今では「自分がここにいる意味」を常に心に留め、子どもや職員方に助けられ、自分の「茅ヶ崎ファームでの仕事」は続いている。