エイラになる

高一 M
2013

  「みんなと一緒」ということをどう思いますか。良いことなのか悪いことなのか、どう思うかはそのひとそれぞれなのでしょうか。

今から約六十万年前、地球上で生活していた人類は旧人と呼ばれるものでした。それから約四十万年後に、現在まで続く新人が登場します。彼らの話は遠い昔のことですが、この時代を舞台にした物語があります。

「大地の子エイラ」という物語をご存知ですか。丁度、旧人と新人が共存している頃のお話で、新人の少女エイラが地震で家族を失い、行き倒れていたところを旧人の一族に拾われるところから始まります。氏族と自称する彼らによって、彼女は温かく育てられて行きます。その後、彼女は氏族を去り、新人の一族に加わります。氏族の人々を「平頭」と呼び蔑む彼らの中には、エイラの生い立ちを知り、彼女のことをも蔑む人が現れます。この様子を見たエイラは、「私とみんなは姿は変わらないのに、違う」と感じます。彼女は、氏族の技術によって受け入れられ、独特の地位を確立していきます。それにつれて、一族の人々は氏族を人間だと思うようになっていく、というお話です。その物語の中で、「みんなは自分達が平頭と同じであることを知っている。だからこそ小さな違いを大げさに言って全く違うものであるかのように振る舞う」という言葉がありました。

そうだ、個性が強いといわれる私も、みんなと同じなんだ。そう思いました。一族の中で一人だけ違うエイラは、違いをいかして必要な存在となっていきました。そうなれたのは、みんなと同じだったからだと思います。私も、小さな違いにこだわらず、自分だけがもっているものをいかして、「みんなと一緒」でない、自分だけの役割をもち、違いを受け入れられるように生きていこうと思います。