おサルさんが9匹並んでるんです。
初めて見たとき 一瞬 何かと思いましたよ。
もう6~7年前に退所していった姉弟のおばあちゃんが作ってくださり 数日前に頂いてきたものです。
計10本。ファーム全部の10軒分っていう意味でしょうね。
姉弟が退所していったのが小学校の中学年。ところがその後 二人ともが荒れてしまって おばあちゃんは大変なご苦労をなさった。でも今はなんとか二人とも落ち着いて暮らしています。
3番目の写真をみてください。おサルさんは全員帯を締めているでしょ。はい この帯を結ぶ作業は なんとお姉ちゃんが手伝ったんだとか。それを聞いて『あ~よかったなあ』と。
姉弟が荒れていた頃 悩んだおばあちゃんから何度もファームへお電話を頂き ご苦労を知っていましたから。
さてこのおサルさんたち。
まったく知らなかったので調べてみました。
以下。
「南天九猿」
「南天」の枝に 「九匹の猿」が乗っかっています。
南天=難転
九=苦
猿=去る
という縁起かつぎですね。
材料としては 南天の枝と 猿の顔は なんとふうせんかずらの実をそのまんま使っています。
ちょうど猿の顔に見えます。なるほどね。
でも
どこいら辺りで発祥したかとか いつ頃からかとかは 分かりませんでした。
どうやらみんな船に乗っているようなんですが なぜ船に乗っているのか。
そして 1匹だけみんなの方を向いていて ちょうどボート競技のスキッパー?のようなんですが なぜそういうスタイルにしたのか。
(人生の荒波を乗り越えるってとこでしょうか)
そして 1匹だけみんなの方を向いていて ちょうどボート競技のスキッパー?のようなんですが なぜそういうスタイルにしたのか。
(人生の荒波を乗り越えるってとこでしょうか)
「南天」については だいぶ分わかりました。
南天は 中国では「南天燭」「南天竹」という名称だった。
南天の実が赤く 燭=ともしびのようだったから。
あるいは 株立ちが竹に似ていることからという。
南天は 古来すでに 難を転ずる縁起木として身近にあったようです。
戦国時代なら 武将は 普段「鎧びつ(鎧をしまう箱)」に南天の葉を収めていて(カビ除け効果でもあったんでしょうかね) 戦になれば その枝を床にさし武運を祈ったとか。。
戦国時代なら 武将は 普段「鎧びつ(鎧をしまう箱)」に南天の葉を収めていて(カビ除け効果でもあったんでしょうかね) 戦になれば その枝を床にさし武運を祈ったとか。。
また 正月には 縁起物として掛け軸に水仙と南天を描いた「天仙図」が喜ばれたようです。
江戸時代の「和漢三才図絵」(百科事典)には
「火災を避けられる」「とても効き目がある」とまことしやかに紹介されている。実際 玄関前に悪魔よけとして植えられていたようです。
人々は 実の赤い色に「厄除け」の意味を感じ取り 慶事にさかんに用いるようになっていた。
例えば 初節句 七五三などでは お赤飯に南天の葉を添えるということをしていた。
井原西鶴の文にも ~大きな重箱に南天を敷き 赤飯をたくさん詰め・・・~ ということが書かれているなど 南天がよく利用されていたことが分かります。
また 病が快方すれば南天の葉を表向きに添え 悪くなったときは裏向きにし 不幸を防ぎたいと願った。
などなど・・・。
しかも科学的にも
南天は「ナンニジン」の成分を持ち お赤飯の熱と水分が「チアン水素」を発生させる。チアン水素がお赤飯の腐敗を抑える効果があるらしいですし
さらに
ベルベリン(アルカロイドの一種)という成分も持ち これは抗菌力ありと。
科学知識のまったくなかった先人の知恵というものは素晴らしい。