思えば小さな頃から、「技術」を見るのが好きだった。

鉛筆をナイフできれいに削る、包丁を研ぐ、竹とんぼをつくる、自転車のパンク修理をする・・・そんな父の姿に憧れた。

母が生魚をさばく姿も好きだった。

小学校低学年のとき叔父と公園でスケッチをした。線で絵を描いていた私には、点で描く叔父の絵はひどく乱暴で下手糞だと途中、馬鹿にして大笑いしていた。

完成した叔父の絵をみてびっくり。そこには風景が存在した。

「すげえ・・・!」

立って歩くようになった頃の私のお気に入りはトンカチだったそうだ。なぜかいつもそれをひきずって歩いていたそうな。

じき3才になる私の娘も立って歩くようになった頃、なぜかドライバーを持ち歩いていた。血とは恐ろしい・・・。

いやいや、生まれたときから別人格。似ていると思って見るからか・・・。

私の小さな頃はよく物が壊れた。大抵のものは父が直したが、手におえないものは、色んな職人さんが出入りして、技術をみせていった。いろんな道具を巧みに操り、ものの見事に直して行く。

「すげえ・・・!」

なにがどうしてどうなるのか・・・みているのが楽しく、いつも側にいた。さぞうっとうしかったことでしょう。

『30分ぐらいでできるから、取りにきな』という自転車屋のおじさんに「見ててもいいですか?」と言うと、喜んで椅子を出してくれ、『兄ちゃん、ここをやるときはここをはずすんだよ!』と教えてくれる。「なるほど!」

その特殊な工具が気になり東急ハンズへ(ドイトもかなりマニアックで飽きない)。あるものですね。しかし、いまだに使ったことはない・・・。

バイク雑誌の『トラブルの際にはこの工具が便利!』早速購入もいまだ使ったことはない・・・。そんなあるだけで満足工具もすくなくない。

前職でも用務の方の作業姿、工具の並ぶ用務員室が好きで、暇なときは入り浸り、作業を手伝わせてもらった(邪魔していたのかも)。

その方から、ダブついた工具を大量に譲ってもらった。今も私の宝です。そして茅ケ崎でも用務室に良く足を運んでしまう。

初めて工具を買ったのはバイクを乗るようになってから(15年ほど前)。

自転車整備工の友人から譲ってもらったソケットレンチは今も重宝している。

工具が増えると収納に困る。

今まで、いくつかの工具箱・バッグを買った。

最初は全部しまえるばかでかい2段式のもの。こいつは重くて移動が大変。しまうと出したくなくなる。今は、あまり使わない大型の工具を収納するものとした。

次は中ぐらいのキャンバスバッグ。

持ち運びには良いが、出したいものがなかなか出てこない。今は、ナタやナイフ、のこぎりなどの刃物を中心にしまうものとした。取り出すときは要注意。

失敗を経て購入したキャンバスのくるくるっと丸められるバッグは大正解! 小さく収納でき、持ち運びも便利。レンチをサイズごとにしまえ、ソケットレンチ、六角、ドライバー各種、ハサミ、ナイフ等・・・これさえあればたいていのことは事足りる。

ちなみに、その他は小物入れ。

数年前、父から譲ってもらったバールと鎌は車のトランクに。

もともとはぶきっちょで飽き性の私。なかなか物事を突き詰められない。だから技術も知識も中途半端の下といったところでしょう。

意識散漫、あれこれ気になり色々手を出してしまう。完成せぬまま次の事に興味がわく。

工具を色々と扱い学んだこと。

十徳ナイフ等便利グッズも用途はあるが、やはり工具は一つの用途を突き詰められたものが圧倒的に使い勝手が良い。作業も結局早く、仕上がりも良い。

なるほど、突き詰めることって大事なんだな・・・。

今は良く切れるノミが欲しい。電動工具も捨てがたい。

一体全体、何に使いたいのかは自分でもよくわからないのだが・・・。